山門掲示板法語

年度法語出典
201112私というものは私の思いより
もっと深い意義を持っている
安田理深
20121世の中安穏なれ 仏法ひろまれ親鸞聖人
 2悟るといふても
迷うている事を悟るのです
安田理深
 6依頼は苦痛の源なり清沢満之
 7発車駅の東京も知らず、
横浜も覚えがない。
丹那トンネルを過ぎたところで薄目をあける。
静岡あたりで突然乗っていることに気づく。
そして名古屋の五分間停車のあたりから、
窓の外を見てきょろきょろしはじめる。
この列車はどこへゆくのかとあわてだす。
もしそんな乗客がいたらみな吹き出すに決まっている。
その無知な乗客を哀れむに違いない。
ところが人生列車は全部の乗客がそれなのだ
吉川英治「人生列車」
 8貧を貧と思わざれば富なり
富を富と思わざれば貧なり
清沢満之
 9またひとつしくじった
しくじるたびに目があいて
世の中すこし広くなる
榎本栄一
 10慢心によって鬼となり
信心によって人となる
本多恵
 11仏に出遭うということは
仏に背きつづけている
私に出遭うということです
藤元正樹
 12過ぎ去ったことを悔やみ
来たらぬ未来に憧れて
今を忘れて生きている私
 
20131人間としての愚かさというのは、
実は何に対しても
答えを持っているということだ
ミラン・グンデラ
 3拝まれる者になるよりは
拝める者となれ
畠山明光
 4われひと共に自由と平等を
共に生きようという願いこそが
人間の根本の願い
和田稠
 5聞法と言うことは
人に出遭うこと
人からひとへの歩みだ
宮城顗
 8ここに居て喜べず
随分よそを探したがここをはなれて
喜びはどこにもなかった
浅田正作
 9自分に自信をもっている
自分の心に迷うのです
宮城顗
 10知恩の心による報恩の歩みというのは
その全体がわが力によるものではなく
私を越えた力によって
はじめて成り立つのです。
宮城顗
 12新たなことに気は移り
今年も暮れて空しく終わる
 
20141今年こそと思う心に今はなし本多恵
 2人間の要請に応える宗教と
人間そのものを明らかにする宗教との峻別が
明瞭にならないと宗教が曖昧になる
広瀬杲
 4仏教でいわれる智慧というのは
頭がいいということではない
事実を事実として生きていける力であり
勇気なのです
宮城顗
 5ものをとりに部屋へ入って
何をとりにきたか忘れてもどることがある。
もどる途中でハタと思い出すことがあるが、
そのときはすばらしい身体がさきにこの世へ出てきてしまったのである。
その用事は何であったかいつの日か思い当たるときのある人は幸福である。
思い出せぬまま僕はすごすごと、
あの世までもどる。
杉山平一「生」(詩)
 7苦しみがなくなるということは
苦しみをいかしていくことができるということ
蓬茨祖運
 8人は法を求めるにとどまって
法を生きることを忘れている
高光大船
 9世の中が便利になって
一番困っているのが実は人間なんです
浅田正作
 10地獄を嫌う心が
地獄を造っていたのです
安田理深
 11助け合わねば生きていけないお互いが
害し合わねば生きていけない
そこに人間業の悲しみがある
金子大榮
 12浄土は響き合う人の間に感じられる本多恵
20152やらねばならない強制のなかで
してはいけない規制の中で
本当何がしたいのか
他人の顔色を伺いながら
自分の本当の願いを見失って生きる
私の名を
仏は凡夫と言い当てます
 
 3準備(先の事)ばかりに追われつつ
大事な本番(今)迎えずに
ついに空しく終わりけり
大切なのは「今でしょう」
 
 4人生は人との出遇いの連続である
出遇いの深さが人生の深さでもある
 
 5悲しみよ
おまえのおかげで
私は仏に遇う
箕輪 秀邦
 6人は (他者)の前を横切らずには生きていけない。
大事なことは、そのことをわすれないことだ。
遠藤周作
 7他を咎めんとする心を咎めよ清沢満之
 8南無阿弥陀仏というのは
人間に生まれてよかった
生きてきてよかった
という人生を歩む心になってほしい
という心です
伊藤元
 9ご縁 ご縁 みなご縁
困ったことも またご縁
南無阿弥陀仏に あうご縁
木村無相
 10凡夫が凡夫に目ざめた人を仏という
凡夫でありながら凡夫と知らぬのが
人間である 
安田理深
 11愚かが愚かに気付いて
利口になったつもりの
このどうしようもなさ
榎本栄一
 12憶念とは、
忘れていたものを思い出すという意味
宮城顗
20161おめでとうございますとは
ただ新年を迎えたことではなく
互いに念仏を申す身になった事を
慶ぶ言葉です
 
 2本当に自分の弱さを深く知った人が
その弱さを悲しむ心において
ともに歩もうとする
宮城顗
 3年をとって自分の力に限界を知らされれば知らされるほど
逆に自分を生かしている世界が
いかに大きいかを知る。
宮城顗 語録集5
 4智慧がないことを愚痴と表す
愚痴というのは弱さです
愚痴というのは分からないということではない
事実を事実として引き受けられない弱さです
宮城顗
 5無量とは量的発想で一喜一憂し
振り回されることから解放された世界です
真城義麿
 6自分の愛情の至らないことを悲しむ心が
いちばん相手に近づく心
宮城顗
 7信心とはわが身に賜った如来の心です宮城顗
 8仏とはどういう人かというと
すべての存在に仏の心を見いだす人なのです
宮城顗
 9夢は実現したら消える
願は実現してはじめて力になるのでない
願が力を生み出してくるのです。
宮城顗
 10他人の人間性を無視すれば
必ず自らの人間性も失っている
和田稠
 11人生における問題と
人生そのものの問題とは違う
金子大榮
 12悟りという事は
いかなる場合にも平気で死ぬる事かと思っていたのは間違ひで
悟りという事は
いかなる場合でも平気で生きることであった
正岡子規
20171正月は冥土の旅の一里塚
めでたくもあり めでたくもなし
一休宗純
 2寒さに身を震えた者こそ太陽の暖かさを知らされる
苦悩を生きた者こそ願われているわが身の事実に頭が下がる
 
 3自らの在り方を深く悲歎するという心だけが
人間としての心を回復していくのです
宮城顗
 4念仏申すということは
念ぜられている自分のいのちに出遇うということ
宮城顗
 5わしも、すてたものでないと
頑張っているのが凡夫
安田理深
 6邪道というのは自分を固める道です宮城顗
 7自分の命を大事にすることは
隣にいる人さまの命も
大事にすることと同じです。
早川一光         『ゆたかな老いと死』より
 8自分がえらいものと思うと
世の中が暗くなる
曽我量深
 9思いどおりになるものだというところに迷いがある安田理深
 10私を見ていて下さる人があり
私を照らして下さる人があるので
私はくじけずに今日を歩く
榎本栄一
 11うれしいときでも
悲しいときでも
自分の人生はそこにある
広瀬杲
 12信心とは
聞き溜めることではなく
聞きぬくことである
大河内了吾
20181自分の願いが叶い
都合が満たされれば満たされるほど
迷いが深くなる
真城義麿
 2私たちが人生で求め続けるものは
自分自身への深い納得であり
うなずきにある
平野修
 3他人を見るのは私の眼
私を観せるのは仏の眼
 
 4やらねばならぬと思うならやめなさい
あなた自身が
やらずにおれないと思うならやりなさい
安田理深
 5我が子に「恥ずかしい」と感じたとき
ほんとうの親が誕生している
松本梶丸
 6浄土は言葉のいらぬ世界である
人間の世界は言葉の必要な世界である
地獄は言葉の通じぬ世界である
曽我量深
 7私がなぜか不安なのは
頼むものが無いからではなく
頼むものをしっかりと握っているからだ
和田稠
 8亡き人に迷うなと拝まれているこの私本多恵
 9不都合なことに出遇うことが
都合でしか生きていない私と
出遇うこと
 
 10私の願いをかけることではなく
仏の願いをただひたすら聞いていく
そこに仏法聴聞ということがある
 
 11煩悩具足が他人事だと
思っているあいだは
仏法を聞いていても
他人事を聞いているだけだ
 
 12たらいで生まれ
おけの中まで
何もわからず生きている
時の流れが悲しい
小椋佳
20191一切の存在を
諸仏として見出してくる世界が
阿弥陀の世界だ
宮城顗
 2結婚とは
「共に苦労していくことが私の幸せです」と言い得る
共なる生活のことである
 
 3無明とは
わかっていることにしている
暗さである
 
 4他力とは私が自力でしか生きていないことを
私に知らせる力のことである
 
 5あの人が悪い
この人の責任だといいながら
私が悪い
私の責任だと言えない私
この私を仏は凡夫と言い当てられる
 
 6どうにかして苦から逃れたい
この心に苦しまされ
悩まされている
この私の生活を
釈尊は一切皆苦と教える
 
 7相手を鬼と見る人は
自分もまた鬼である
曽我量深
 8人間の知恵は
恵みであるとともに
苦しみであり
悲しみであり
愚かさである
高史明
 9難儀や厄介に会わないことが仏の教えではなくて
難儀や厄介から己をしらされる
その眼を頂くことが仏の教えなのです
 
 10報恩講とは
私が恩を返す仏事ではなく
恩ということを私に報せる
御仏事です
 
 11苦悩があるからこそ
救いが開かれてくる
 
 12私が願うのではない
私を願っている願いを聞く
それを聞法という
 
20201仏法聴聞とは
私がりっぱな私になることではなく
どうしようもない私だったと
頷かせられることである
 
 2たまわりものの信心に
深い浅いはない
 
 3だあれもいない一人の時
お念仏さまがこうささやく
一人じゃないんだよ 一人じゃ
木村無相
 4さばかぬ念仏をいただきながら
念仏で人をさばこうとする
 
5自己を正当化すれば
必ず他との対立を起こす
自己を正当化している者は
その自己が見えない
和田稠
6生まれたことも一大事
死んでいくことも一大事
今、生きていることはもっとも一大事
7人のわろき事は、能く能くみゆるなり。
わがみのわろき事は、おぼえざるものなり。
蓮如上人
8「問題だ!」と思っていても
道は開かれない
問題が自らの「課題」となったとき
道を歩む力を賜る
9亡き方との別れは
出遇い直しの始まり
10仏の智慧とは
私の知恵の愚かさを
報せるちえである
11ものが縛るのではありません
ものをとらえるこころに縛られるのです
仲野良俊
12思い通りの事がいくつあり
不都合な事がいくあったか
この計算をするのは私の仕事
全てのことに無駄なしと
私に頷かせるのが仏の仕事
20211願いごと
言ってばかりの
私に
わが願い聞けと
仏ぞまします
2現代人は、善人ばかりである。
他を平気でこきおろせるのは、
善人意識で無ければできない芸当だ。
金子大榮
3完璧でない私が
他人に完璧を求めている
互いに完璧でないことを
報せられた時はじめて
助け合って生きる力を賜る
4拝むとは
拝まれていたことに
気づき醒めること
高光大船
5夜明けの前は
闇に決まっている
闇に先立つ
夜明けはないことである
高光大船
6人間よ!
「本当の人間になってください」と 
私を拝んでいるのが 
仏なのです
7愚かが愚かと 
報らされれば 
明るくなる
畠山明光
8死んで往くということは 
縁ある方々に 
「あなたも死んで往きますよ」と 
身をもって伝えていく 
大切な一大事である
9彼岸は此岸を照らし
浄土は穢土を見せ
仏は私を凡夫と頷かせる
10病気や怪我や死は
私の都合を越えて
生きる事実の只中
にある事柄である
11弥陀たのむこころも 
弥陀信ずるこころも
すべて弥陀のはたらき
今、弥陀の御手の只中
12他人の愚かさを笑っている私が
思わず自らの愚かさに苦笑させられる
これこそが如来の芸当だ
20221迷いとは
分かっている 知っている 
そう思い込んでいる
私の事実の中に潜んでいる
頭で理解するのではない
自の都合で聞くのでもない
我事を事実として聞こえてくる時
そこに仏との出遇いがある
自らの愚かさを
報されるということは
助け合っていく力を
賜るということ
私は正義の名のもとに
残虐なことをも
犯してしまう
愚かさを内在している
大切なことは
私のあり様に
間違いを報せてくれる
御教えに出遇うことである
御教えに出遇うということは
私の事実を映し出す
鏡を与えられることである
無いものねだりの生活からは
不満と不平しか出てこない
足ることを知らされる生活にのみ
報謝と豊かさが現れ出てくる
8死に切れない人生を送るのなら
愚痴と恨みしか残りません
畠山明光
9死を曖昧にすれば
今、生きていることも
生まれてきたことも
皆、曖昧になる
10苦しみも悲しみも
すべて人生のスパイス
スパイスによって味が付く
味わえる人生でありたい
11正しい、間違ってないと思う心
その心に争いや苦の根源があると
私に報せるはたらきを仏という
12忙しい師走の中で
一体何に忙しいのか
仏法のことはいそげいそげ
蓮如上人
本当のものが
わからないと
本当でないものを
本当にする
安田理深
千差万別の顔をし
千差万別の生活をしているが
その根っこには必ず
仏になるべく生きるという
生命(いのち)の平等性がある
広瀬杲
3箸にも棒にも
かからん私を
救うはたらきを
摂取不捨という
今だけ・金だけ・自分だけの日常に
お前はほんとうにそれだけで満足かと
私を問うはたらきを仏という
人生が行き詰るのではない
自分の思いが行き詰るのである
安田理深
6浄土を人間は見ることができない
しかし形有るものを通して
浄土を見るのである
曽我量深
信心を賜わるということは
私を恒に問うてくる心を
賜わるということ
8お盆には亡き人が還って来るという
お盆にしか還ってこないのではない
いついかなる時も私と共にいる
その事を報されるのがお盆である
9暑い、寒い 
雨の日、晴れの日
自分の都合でしか受け入れられないが
全てが私の都合を越えた事実である
10仏法聴聞ということは
雑踏や賑やかさの只中で
私の根底に流れている本当の願い
その願いが聞こえてくるということ
11亡くなられ
初めて念う
親の恩
12「ごめんなさい」「ありがとう」
他の言葉はなくていい
なぜならその他はすべて
自分を守るための
言い訳の言葉だから
20241世間では 
初夢には一富士二鷹三茄子であるが
仏法は夢から覚める教えです
2老いる・病む・死ぬ
これは嫌なことではあるが
これこそが実は
生きている事実を
私に突きつけてくる一大事なんです
生れ出たときからすでに
私たちは阿弥陀の御いのちを
たまわってきているんだ
宮城顗